海竜王寺
所在地：奈良市法華寺北町８９７
宗派 ：真言律宗
沿革 ：都が藤原京から平城京に移ったとき藤原不比等が拝領した土地に邸宅を造り、その東北隅にあった寺を隅寺と称していた。後に法華寺となったこの屋敷跡に皇后宮を構えた光明皇后が勅願により７３１年この寺を創立したと伝えられている。寺号を海竜王寺としたのは７１６年学問僧として唐に渡り７３５年遣唐使船で帰国した玄昉で、帰国の際東シナ海で嵐に遭遇狂瀾怒涛に翻弄されたが、懸命に海竜王経を唱えて、多数の経巻や仏像とともに帰国できた。その功績により僧正に任ぜられ、隅寺の住持となったが、そのとき寺号を海竜王寺に改めたと伝えられている。
天平建築の面影を残す西金堂には高さ４メートルの五重小塔が安置されており、その細部構造は薬師寺東塔と同じで天平時代の現存する塔として貴重(国宝)なものである。 |
