狩野永徳展開催中

*　京都国立博物館　*

　京都国立博物館は東京、奈良、九州とともに文化庁所管の独立行政法人国立博物館として文化財の宝庫となっていますが、多くの各種展示イベントが開かれます。このたびの京都訪問時には名門狩野一族の中で織田信長、豊臣秀吉のお気に入り絵師狩野永徳特別展が開催されていました。永徳の作品は安土城、大阪城の落城とともに消えたものも多く、有名な割に今日残っている真筆は僅かしかないようです。

　今回の展示には最近発見された「洛外名所遊楽図屏風」が初公開され、国宝の上杉本「洛中洛外図屏風」とともに展示されています。宇治川から平等院付近、桜と柳を描いた春夏図と大堰川から嵯峨、嵐山一帯の紅葉と鷹狩りを描いた秋冬図の四曲一双の屏風で、数百人が描かれているという人物像の緻密な筆裁きは見応えがあります。また国宝の「四季花鳥図襖」「檜図屏風」で枝振りの力強く見事な描写にも強い印象を持ちました。圧巻は秀吉が毛利家に贈ったとの伝承がつたわる「唐獅子屏風」、その六曲一双の巨大な屏風には圧倒されました。そのほか嗣子狩野松栄ら永徳に係わる狩野派の人々絵や永徳の扇面画など盛り沢山の展示を見て疲れたので、外で一休みしながら戦乱の中に失われた障壁画のかずかずを想いました。

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