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新讃衡蔵（宝物館）建設
勧募趣意書
当山は、平安美術の至宝「中尊寺経」や仏像・荘厳具など、三千余点
に及ぶ国宝・重要文化財を蔵し、日本文化史上に突出した位置を占めて
おります。平安の末、人の祈りが「美」とともにあった時代の精華であ
ります。
現在の宝物館「讃衡蔵」は、山内に伝わる寺宝を一所に収蔵して、火
災から護り、その真価を一般に御認識いただくために、戦後、全国で初
めて国の補助を得て、昭和三十年に建設されたものでありまして、すで
に耐用年数も限界に至りました。保存管理の上からも影響が懸念されて
おり、指定文化財も相当に増加しておりますことから、新たなる収蔵庫
の建設に着手しました。
新讃衡蔵は、文化財の科学的保存は当然のことながら、諸尊仏を安置
する仏堂として、参拝の皆様に藤原四衡公の遺風に触れていただけるよ
うに構想設計致しました。
「讃衡蔵」とは、「奥州藤原三代(清衡公・基衡公・秀衡公)の偉業を
讃仰」し、報恩の誠を捧げる意味、三代と讃仰とを掛けた名称です。
御参拝の皆様に、「讃衡」の勝縁を結ばれますよう、勧進申し上げる
所以であります。 敬 白
平成十一年吉春
天台宗東北大本山 中尊寺
貫首 千田孝信
なお、浄財の御寄進は、金色堂前拝観券発行所、および本坊守札所に
て受付致しております。
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